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zoom RSS トランプ時代の始まり〜暴走か変革か1

<<   作成日時 : 2016/12/08 16:35   >>

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●“史上最低の大統領選”で勝利

 2016年(平成28年)11月8日に行われた米国の大統領選挙は、共和党のドナルド・トランプが、民主党のヒラリー・クリントンに勝利した。
 11月28日唯一選挙結果が判明していなかったミシガン州は、トランプが勝利したという結果を認証した。これでトランプが獲得した選挙人数は306人、ヒラリーは232人となった。ただし、得票数では、トランプが約6235万票であるのに対し、ヒラリーが約6442万票で200万票以上、上回った。
 今回の選挙では、ロシアがサイバー攻撃で選挙の集計に介入するのではないかという情報が出されていた。緑の党の大統領候補だったジル・スタインは激戦州での再計算を求め、実施に必要な資金、500万ドルを集めた。再計算を求める理由は、専門家から集計結果がサイバー攻撃で不正操作されたとの指摘があったからという。ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンの3州について再計算が求められた。これら3州はいずれも産業が衰退した「ラストベルト(さびた工業地帯)」に位置する民主党の地盤だったが、白人労働者の支持を受けた共和党のトランプがヒラリーを退けた。
 もしこれら3州すべてでヒラリーが勝てば、選挙人274人を獲得することになり、逆転勝利する可能性が残っていた。ウィスコンシン州の州選管当局は、再集計することを決めた。しかし、ミシガン州で結果が確定したので、逆転の可能性はなくなった。今後、選挙人団による投票が12月19日に行われる。その結果が最終的な結果となる。
 来年1月20日トランプの大統領就任とともに、米国の政治に大きな変化が現れるだろう。この未知数の指導者による変化に世界は注目し、備えをしつつある。一方で期待が高まり、一方で反発が強まっている。独裁的指導者による暴走か、米国の隘路を打破する変革か。まだその展望は定かでない。
 トランプの勝因、その主な政策ーーTPP、経済政策、外交、安全保障等−−そして、世界への影響とわが国の対処について短期連載にて考察する。

●オバマからトランプへ

 2009年(平成21年)1月、史上初の黒人大統領が誕生した。以後、2期8年にわたり、民主党のバラク・オバマが政権を担った。だが、その結果は芳しくない。
 米国は非常に多様性の高い社会である。様々な人種・民族・宗教等が混在している。その状態はサラダ・ボウルにたとえられる。根底には、建国以来の白人/黒人の二元構造がある。1950年代までは人種差別が横行していた。1964年には公民権法が成立し、権利においては平等が実現した。しかし、黒人の多数は貧困層を脱することができない。大都市では、居住地と学校において、黒人の隔離が続いている。そうした状態の改善を求めて、アファーマティブ・アクション(積極的是正措置)やポリティカル・コレクトネス(人種・性差等の中立表現)が唱えられ、実施されてきた。だが、20世紀末から、ヒスパニックやアジア系等の移民が多数流入し、人口構成が大きく変化してきた。白人が多数を占める社会から、有色人種が多数を占める社会へと変貌しつつある。
 オバマ政権は、こうした多様で対立・摩擦の多い社会を、一つのUSAとすべく統合を試みた。そのスローガンが「Change(変革)」だった。だが、変革は成し遂げられなかった。就任前に起こった2008年(平成20年)9月のリーマン・ショックの影響は続き、米国の財政赤字は膨らみ続けた。米国は際限のない国債の発行などによる財政悪化に歯止めをかけるため、法律で政府債務に上限を設けている。だが、2011年(平成23年)以降、政府債務が上限を超え、繰り返しデフォルト(国家債務不履行)寸前に陥る危機に直面してきている。
 この間、グローバリゼイションの進行によって、米国の製造業は海外に安い労働力を求め、国内の雇用が減少した。また中国など海外から入ってくる低賃金による安い製品に押されて米国製品の売れ行きが低下した。経済的な格差の是正は進まず、逆にますます拡大している。所得が上位1%の富裕層は、2015年の平均年収が約1億1000万円、残り99%の平均年収は345万円だった。その差は約31倍となっている。また、上位0.1%の最富裕層が所有する財産の総額は、下から90%が所有する財産の総額に等しいという。約900倍の差である。
 貧困層には、黒人やヒスパニックが多く、彼らの多くは貧困を抜け出せないままである。また、極端な二極化の進行によって、白人を主としていた中間層が崩壊し、多数の白人が貧困層に転落した。
 オバマ政権は、共和党のブッシュ子政権が2001年の9・11以後に始めたアフガニスタン戦争、イラク戦争を引き継ぎ、その収拾を図った。だが、戦争終結は容易でなく、そのうえ、2011年(平成23年)の「アラブの春」がきっかけとなって、中東に地殻変動が起り、その中で生じたシリアの内戦、いわゆる「イスラーム国(ISIL)」の台頭等への対応が生じた。アメリカは中東で15年間、戦争を続けている。最も多い時期には20万人の米国兵士が海外に派遣された。そして、この間に約7000人が戦死した。それだけの犠牲を払っても、中東は安定せず、むしろ情勢は悪化・拡大している。また、イスラーム教過激派によるテロリズムが拡散・激化している。ヨーロッパ各国やアジア諸国等でテロ事件が続発し、アメリカでも自国育ち(ホームグロウン)のテロリストによる殺人事件が続いている。
 2016年(平成28年)11月8日の大統領選挙では、こうしたオバマ政権の8年間が問われた。民主党では、オバマ政権の政策を評価し継承する前国務長官ヒラリー・クリントンが候補者の指名を受けた。共和党では、全く政治経験のない実業家ドナルド・トランプが他の有力候補をなぎ倒して指名を勝ち取った。両者の戦いは、嫌われ者同士の戦いだった。ヒラリーはエスタブリッシュメントの象徴として嫌われ、トランプは暴言・セクハラが多く大統領に求められる品格を欠く。そのため、史上最低の大統領選といわれた。
 激戦の末、トランプが勝利を獲得したが、多くのマスメディアや各国の首脳はトランプの勝利を予想できておらず、トランプショックが世界を走った。
 2016年6月に英国で住民投票により英国のEU離脱が決定したことに続き、多くの人々には「まさか」と思われる結果となった。だが、欧米では、グローバリズムと移民受け入れへの大衆の反発、国家・国民を尊重するナショナリズムの復興が年々、顕著になっている。EUでは、フランス、オランダ、ドイツ、ノルウェー等で、マスメディアが「極右」と呼ぶリベラル・ナショナリズムの政党が躍進している。移民の受け入れやそれによる失業、治安の悪化、文化的摩擦への危機感や、国家・国民を融解するEUや単一通貨ユーロへの疑問が強まっている。大衆の意識の変化が、グローバリズムに異議を唱える勢力を伸長させ、歴史の流れを変えつつある。トランプの勝利は、こうした動きと同じ潮流の現れである。
 トランプの根底にあるのは、米国の伝統的なアイソレーショニズム(不干渉主義)である。近年共和党で影響力を増しているティーパーティのリバータリアン(自由至上主義的)でかつ自国本位の考え方を極端に推し進めた地点に、トランプは立っている。
 トランプは、オバマ政権の政策とそれを継承しようとするヒラリー・クリントンの政策を激しく非難した。過激な表現を多発することで、民衆の不満を自分への支持に向けた。「アメリカ・ファースト」を訴え、ブッシュ子、ビル・クリントン、オバマの各政権で共和、民主両党の主流派が推進してきたグローバリズムから自国第一主義への転換を唱えた。経済政策は、TPPから脱退し、海外投資拡大の路線から、国内経済重視の路線に転換し、外国に奪われた雇用を取り戻すことを訴えた。メキシコ人の不法移民問題については「彼らは麻薬や犯罪を持ち込む。強姦犯だ」「メキシコとの国境に壁を作り、費用はメキシコに持たせる」と言い切った。イスラーム教徒については「彼らはわれわれを憎んでいる。米国を憎んでいる人たちがこの国に来るのを認めるわけにはいかない」として入国禁止を提案した。トランプはこうした排外主義的で人種差別的な論調の発言を繰り返した。それが、米国の一部の国民の心を強くとらえた。 その結果、オバマ政権が行ってきた路線から、ほぼ正反対の路線への転換が方向づけられた。

 次回に続く。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1957181074&owner_id=525191からとられました

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